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GOMESS

ラッパー

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人それぞれお茶それぞれの多様な「色」を感じることで、多様性の大切さを感じる特別企画。

自然の恵みと人の手によって育つお茶をひと口、目を瞑って、ひと呼吸。
香りや温度、重さや舌触り、空気との触れ合いを経て、目に見える以上の、
その人にとっての「お茶の色」が心に浮かぶ。

一人ひとりの感性によりそう、お茶の多様性。あなたにとって、お茶はどんな色ですか?

GOMESS(ラッパー)

小学生のころ日本を代表するヒップホップグループ・RHYMESTERの楽曲と出会い、中学生からDTMで(パソコンのソフトを使っての)作曲を始め、高校時代には「高校生RAP選手権」に出場し準優勝。ラッパーとしてのキャリアを積み重ねながら、ポエトリーリーディングや民謡歌手とのコラボなどを通じて常に表現の幅を広げているGOMESSさん。10歳のときにパニック障害を発症、今も自閉症と共に生きる一人として表現活動に向き合います。静岡市出身ということもありお茶が身近にあったというGOMESSさんに、地元のお茶を飲んでいただきながら心に浮かぶ風景を聞きました。

「静岡で一人暮らしをしていた時に、近所にあった[chagama]というお店のお茶をよく買います。今の時期はちょうど新茶がありました」

青々とした鮮やかな緑色の茶葉を眺めながら、当時住んでいた街の思い出を教えてくれました。

「自分の住んでいた部屋の下に、おじいさんとおばあさんでやっているオーディオの修理屋さんがあって、俺エンジニアを目指していたので、よく通ってたんです。当時ジャズにハマっていて、『ジャズ聴きたいです』って言ったら、『今日はいいスピーカーをちょうどお預かりしていて直したところだから聴いていきなよ』って、お茶とお菓子を出してくれたんです。おじいちゃんがジャズマニアだったので、俺も全然知らないような曲だったんですけど、『これ聴きな! はい!』みたいな感じで」

[chagama]があるのは、そうした昔からの商店が立ち並びつつも、最近バーやオーガニックレストランなど新しいおしゃれなお店が増えてきているエリア。GOMESSさんにとっては、ただ新しいだけではない、「思い入れのあるエリアのお茶屋さんのお茶」。

この日、お茶の他にもうひとつ、GOMESSさんにとって深い思い入れのある品を持ってきてくれました。それが、この亀のぬいぐるみの「かめきち」。

普段外に連れて行くことはないレアな存在。GOMESSさんにとっては6歳のときから一緒にいる相棒であり、お茶よりも身近な存在のかめきち。上京したての不安なときも、実家の懐かしさや落ち着きを与えてくれたのが、かめきちでした。

「お茶で思い浮かぶイメージの一つに、小学校のときによく行っていた駄菓子屋があって。僕が飲むのはジュースだったんですけど、お店のおばあちゃんがいつも奥でお茶を飲んでいるんですよ。それが割と目に入ってきていて、お茶のイメージがある。かめきちとはその頃からいつも一緒だったので、そういう懐かしさと結びついているんだと思います」

昔の思い出やその状況が頭の中に克明に蘇るかのように話すGOMESSSさん。10代から20代へと、身も心も、周囲の環境も大きく変化する中で、「懐かしさ」という要素はその人をその人らしく揺り戻してくれる装置になるのかもしれないと感じます。

今はお茶好きの友人が淹れてくれるお茶を飲むことが多いGOMESSさん。自分で茶器を揃えてお茶を淹れることは今後やりたいこととして温存しているのだそう。自分でお茶を淹れるためには住む場所やシチュエーションが自分の中でしっくりこないといけないとのこと。「緑茶を好きになったのは、上京して、友達がお茶にハマっていたりしたから」と話す通り、これからも環境の変化を自分なりに受け入れながら、お茶との付き合い方やその風景もまた変わっていくのでしょう。自身の内面的な多様性ということも考えさせてくれる時間でした。

GOMESSS|ゴメス
1994年生まれ、静岡県出身。自閉症と共に生きるラッパーとして注目を集め、自身の生き様を歌った楽曲「人間失格」、「LIFE」は表現者として各所で評価される。ジャンルを超えた多くの表現者との交わりながら、新たな世界観を生み出している。
gomeban.com
instagram.com/gomessjapan

Photography: Kisshomaru Shimamura
Text & Edit: Moe Nishiyama & Yoshiki Tatezaki

人それぞれお茶それぞれの多様な「色」を感じることで、
多様性の大切さを感じる特別企画。
自然の恵みと人の手によって育つお茶をひと口、
目を瞑って、ひと呼吸。
香りや温度、重さや舌触り、空気との触れ合いを経て、
目に見える以上の、
その人にとっての「お茶の色」が心に浮かぶ。
一人ひとりの感性によりそう、お茶の多様性。
あなたにとって、お茶はどんな色ですか?

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