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平山潤

NEUT Magazine 編集長

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人それぞれお茶それぞれの多様な「色」を感じることで、多様性の大切さを感じる特別企画。

自然の恵みと人の手によって育つお茶をひと口、目を瞑って、ひと呼吸。
香りや温度、重さや舌触り、空気との触れ合いを経て、目に見える以上の、
その人にとっての「お茶の色」が心に浮かぶ。

一人ひとりの感性によりそう、お茶の多様性。あなたにとって、お茶はどんな色ですか?

平山潤(NEUT Magazine 編集長)

“Make Extreme Neutral = エクストリームをニュートラルに” を旗印にするオンラインマガジン「NEUT Magazine」の編集長を務める平山潤さん。さまざまな価値観が急速にアップデートされる社会において、先入観にとらわれずにフラットに対話し受け入れることを実践し、ミレニアルズやZ世代を中心に支持を集めるメディアを率いる平山さんにとっての“お茶”とは。

「自分にとって思い入れがあるお茶はほうじ茶。これは、[櫻井焙茶研究所]で今回初めて買ったほうじ茶なんですけど、どこのほうじ茶というのではなく、『ほうじ茶』というもの自体に思い出があるんです」

袋から取り出したほうじ茶からは、香ばしい、いい香りが漂います。ほっとする、和みのお茶であることは誰しも頷くところですが、平山さんのほうじ茶の思い出はどんなシーンなのでしょうか。

「小学校はお弁当だったんですが、牛乳とあったかいほうじ茶が配給されていたんです。水じゃなくて、やかんに入ったほうじ茶がクラスごとに用意されていて、日直が取りに行く。だから、昼ごはんにはあったかいほうじ茶っていうのが毎日のルーティンで。ほうじ茶って子供からしたら少し苦いですし、今考えたら子供向きじゃないですよね。なぜかその小学校はみんなほうじ茶を飲まなきゃいけないという。3〜4年生くらいになると、ほうじ茶に慣れてくるんですよね」

毎日学校で飲むのは牛乳、それとほうじ茶。実は牛乳については、その反動か今はあまり好きではないのだそうです。逆に、ほうじ茶は今も飲みたくなるのだそう。「コンビニでもほうじ茶をけっこう選んじゃう。なんでだろうね」と話します。

「ほうじ茶がノスタルジーなんですよね。ほうじ茶=小学校のころの自分、みたいな。童心というか、その時の記憶とリンクしている。子供のときに飲んでたほうじ茶は苦かった記憶だから、今回も一番苦いって言われた深煎りのにしたんです」

記憶と紐づいたお茶の味。その言葉通り、平山さんは小学校の頃を明瞭に思い出しているようでした。

「幼稚園から大学まで同じ校舎にあって、校内に山とか池とか自然があるんです。4年生からクラブを取るんですけど、文化部と運動部の両方を取らなければいけなくて。自分は理科部とサッカー部。理科部には親友がいて、その子にスターウォーズとかスタートレックとか教えてもらって。でもサッカーもやって、文化系も体育会系も仲良くなれる学校。そんな学校で育ちました」

それぞれの好きなこと、得意なこと、熱中するもの。フラットに受け入れ合うという環境で学んだことは、平山さんの現在の活動につながってもいるのかもしれません。

「ほうじ茶から思い浮かぶ景色っていうとやっぱり、暗い廊下を通ってやかんを取りに行く小学校のお昼ご飯の記憶。でもそれは悲しい記憶ではなく、むしろ懐かしい記憶」

お茶の心象風景の写真として撮影させてもらったのは、こちらのお菓子でした。撮影の日、ほうじ茶のお供として買っておいてくれたもの。

「小学校のときによく買って食べてたんです。チョコボールとアポロ、あとはポイフル。銀のエンゼル集めて(懸賞のおもちゃのカンヅメ)当ててました。あらためてお茶から考えてみたら、そういう記憶が蘇ってきましたね」

童心に帰るとは、真っ直ぐ純粋な感受性を思い出すということであり、心の柔軟性を取り戻すこと。あたたかくてほっこりとさせてくれる、まるでほうじ茶のように盛り上がったお話から、実は私たちが社会に向き合う際に必要な姿勢まで見えてくるのかもしれません。

平山潤|Jun Hirayama
1992年、神奈川県生まれ。「NEUT Magazine(ニュートマガジン)」の創刊編集長として、「既存の価値観に縛られずに生きるための選択肢」を発信している。
neutmagazine.com
instagram.com/jun__hirayama

Photography: Kisshomaru Shimamura
Text & Edit: Moe Nishiyama & Yoshiki Tatezaki

人それぞれお茶それぞれの多様な「色」を感じることで、
多様性の大切さを感じる特別企画。
自然の恵みと人の手によって育つお茶をひと口、
目を瞑って、ひと呼吸。
香りや温度、重さや舌触り、空気との触れ合いを経て、
目に見える以上の、
その人にとっての「お茶の色」が心に浮かぶ。
一人ひとりの感性によりそう、お茶の多様性。
あなたにとって、お茶はどんな色ですか?

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