• ブレケル・オスカルさんとつくる、
    寒い夜にぴったりのブレンドティー
    <前編>

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    ブレンドティー体験レポート

    超難関といわれる日本茶インストラクターの資格をもつスウェーデン人のブレケル・オスカルさん。メディアでもひっぱりだこのオスカルさんに、肌寒い季節におすすめの“オスカルブレンドティー”を考案してもらった。

    今回のブレンドティーは、緑茶からは静岡茶、鹿児島のほれぼれ、炭焼き焙じ茶、中国茶の鉄観音、黄金桂、ジャスミン茶、紅茶はアッサム、アールグレイ、ダージリンの9種類に、フレーバーとなるフリーズドライのフルーツやスパイスなど計15種類の素材から選んでもらった。

    茶葉とフレーバーから自由な発想で組み合わせを考えてもらい、3種類のブレンドティーができあがった。まずはブレンドの様子からレポート。

    まずは緑茶ベースから

    ブレンドをするために、茶葉やフレーバーをテーブルに広げると、部屋中にはふわっといい香りが漂う。オスカルさんは手際良く香りを確かめながら、ベースとなる茶葉を決めていく。一日の終わりにホッと飲みたくなる炭焼き焙じ茶からブレンド開始。合わせるフレーバーはラベンダーとカモミール、スペアミント。「ミントは合うかやってみないとわからない」とオスカルさんは心配していたが、全体としてはハーブティーのような感じになるのではないかと予測。ブレンドティーをつくるポイントは、ほうじ茶がもつ香ばしさをぶつからないように作るのが大事だという。

    次は鹿児島の緑茶「ほれぼれ」。オスカルさんはここにマンゴーとキウイ、みかんを選択。「南国のイメージで、ビタミンCたっぷりになりますね」とにっこり。さらにブレンドしたのは静岡茶、フレーバーはレモングラス、レモン、みかん。さっぱりとした柑橘系のブレンドだ。

    ①炭焼き焙じ茶 + ラベンダー、カモミール、スペアミント
    ②ほれぼれ + マンゴー、キウイ、みかん
    ③静岡茶 + レモングラス、レモン、みかん

    続いて紅茶ベースも

    「寒い夜、眠りにつく前には、体を温めるジンジャーやレモングラスがおすすめです。ラベンダーなども合うでしょうね」と話しながら、紅茶でもブレンディングを試すオスカルさん。

    まずは「さっぱり系」としてアールグレイ、フレーバーにはレモン、レモングラス、コーンフラワーを選んだ。ミルクティーに合うアッサムには、華やかなイチゴ、ミックスベリー、コーンフラワー。そして、のどごしが軽いダージリンには、ローズペタル、コーンフラワー、ラベンダーの組み合わせをつくった。

    ④アールグレイ + レモン、レモングラス、コーンフラワー
    ⑤アッサム + イチゴ、ミックスベリー、コーンフラワー
    ⑥ダージリン + ローズペタル、ラベンダー、コーンフラワー

    さっそくテイスティング 

    緑茶は40秒、紅茶は1分30秒としっかりと抽出時間を測り、香り、味、色を確かめながら丁寧に試飲をはじめる。「どうなるでしょう」と、期待を込めながら、緑茶3種からスタート。

    まず、オスカルさんやスタッフを含めて全員が驚いたのが①のほうじ茶だ。スペアミントが後から効いてきて、ミントの爽やかさが口に広がる。オスカルさんは「心地いい余韻が感じられますね。キレもいい。水出しにも合いそう。これはいい!」と大満足。②の南国ブレンドは少し味が浅めで、オスカルさんは「フルーツの存在感がもっとあってもよかった」と話すが、試しに入れた炭酸割りが絶妙だった。③静岡茶は柑橘が強めで、実際にブレンドをするときは、フルーツのどの部位を入れるかも重要になってくるので、好みで少しずつ試してみるといいかもしれない。

    続いて紅茶を試飲。④アールグレイは少し苦味が強くパワフルな味。⑤アッサムはミルクとの相性が良く、ハチミツを入れることで奥に隠れたベリーの味が引き立ってくるとのこと。⑥ダージリンはのどごしが軽く、上品な味わいになった。

    3種のフレーバーティーが誕生

    今回、オスカルさんがオリジナルフレーバーティとして選んだのは次の3種だ。

    ①炭焼き焙じ茶、フレーバー:ラベンダー、カモミール、スペアミント
    「これは寝る前がおすすめです。カフェインを心配しすぎる必要がないのでたっぷり飲んで体を温められますし、香ばしさが心地いいです」と、今回オスカルさんのイチオシだ。

    ②鹿児島県産緑茶ほれぼれ、フレーバー:マンゴー、キウイ、みかん
    「フルーティで、フレッシュな感じに仕上がりました。午後の時間帯や夕食会のあとに飲んでもいいかもしれません。炭酸やお酒で割るのもおすすめです」

    ⑥ダージリン、フレーバー:ローズペタル、ラベンダー、コーンフラワー
    「朝やリフレッシュしたい午後に飲むのがおすすめ。ミルクティーといえばアッサムですが、ダージリンでも美味しかったですね。みんなが好きな味になったと思います」

    こうしてオスカルさんによるオリジナルブレンドティーが3種、無事に完成! 飲み方や、オリジナルブレンドティーづくりのお話は、後編で。


    オスカル・ブレケル | Oscar Brekell
    1985年スウェーデン生まれ。学生時代に日本茶に魅せられ、2010年、岐阜大学に留学。2014年に超難関とされる日本茶インストラクターの資格を取得。静岡県茶業研究センターの研修生などを経て2018年独立。
    www.brekell.com
    www.instagram.com/brekell (Instagram)

    Photo: Junko Yoda (Jp Co., Ltd.)
    Text: Rie Noguchi

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