• ブレケル・オスカルさんとつくる、
    寒い夜にぴったりのブレンドティー
    <後編>

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    ブレケル・オスカルさんとつくる、寒い夜にぴったりのブレンドティー<前編>

    ブレンドティー体験レポート 超難関といわれる日本茶インストラクターの資格をもつスウェーデン人のブレケル・オスカルさん。メディアでもひっぱりだこのオスカルさんに、肌寒い季節におすすめの“オスカルブレンドティー”を考案しても…

    2019.12.24 日本茶、再発見

    飲み方とブレンディングのコツ

    前編では日本茶インストラクターの資格をもつスウェーデン人のブレケル・オスカルさんに、今の季節にぴったりの“オスカルブレンドティー”を作っていただいた。出来上がった3種のオリジナルブレンドティー「鹿児島のほれぼれ×マンゴー、キウイ、みかん」「炭焼き焙じ茶×ラベンダー、カモミール、スペアミント」「ダージリン×ローズペタル、ラベンダー、コーンフラワー」、それぞれのおすすめの飲み方などを伺った。

    ―3つのオリジナルブレンドティーが無事に出来上がりましたね。 

    そうですね。どれも美味しく仕上がりました! 今回はブレンドティーを作るということで、元の茶葉の味を裏切ることなく、フレーバーによる相乗効果が現れることを期待していました。お茶をブレンドする上での味の理論はベースとしてあるのですが、まずは「遊び心」をもってブレンドしていくことが大事だと感じました。

    ―まず鹿児島の緑茶「ほれぼれ」ですが、フルーティーで華やかなお茶になりました。

    そうですね。今回は採用しませんでしたが緑茶は二番茶でも合うかなと思っていました。二番茶はあっさりしているので、フルーツの甘さを引き立ててくれると思ったんです。何気なく飲むのにぴったりで、日本の田舎の民宿で飲むような、熱くてさっぱりとした、でもそれが心地いいのが二番茶の特徴です。

    ―焙じ茶のブレンドは意外性があって、オスカルさん自身、とても気に入られてましたね。

    日本の冬は寒いですし、眠る前の体を温めるお茶を作りたいなと思っていました。睡眠前はカフェインをたくさん取らないほうがいいですし、体が温まってゆっくりリラックスできるお茶がいいですよね。今回の焙じ茶に合わせたラベンダーやカモミールは、夜にぴったりのハーブです。焙じ茶は香ばしさが特徴なので、それと“ぶつからない”ようにするには何がいいのか考えました。

    このブレンドでとても意外だったのは、普通にお湯でいれてももちろん美味しいのですが、おそらく真夏の朝に冷茶として飲むと、さらにおいしいかもしれません。リフレッシュしたい午後には紅茶を飲む人が多いですが、その代わりに今回の焙じ茶ブレンドを飲むのもいいかもしれないです。

    ―ダージリンがミルクティーに合ったのが意外でした。

    ミルクティーというとアッサムというイメージが強いですよね。アッサムは強めの紅茶でコシがあるので、甘みを加えてミルクティーで飲むのが定番です。今回のダージリンは、アッサムに比べるとコシがなく、のどごしが軽め。また、香りが強いので、なるべく味の出ないフレーバーが合うなとは思っていました。ダージリンはミルクで割るとどうしても色が悪くなってしまうので、あまり合わせない組み合わせなのですが、意外にもミルクティーも合い、炭酸で割ってもオンザロックにしても美味しい。今回のブレンドティーは、印象派の絵画のような、パステルカラーのイメージです。それでいて上品でとても美味しく出来上がりましたね。

    ―それぞれ、飲むときのポイントはありますか?

    焙じ茶は90℃のお湯で1分、ほれぼれは80℃のお茶で40秒、ダージリンは熱湯で3分を目安にするといいですね。飲みたい時間など、好みは人それぞれあると思います。正解のない世界なので、柔軟性をもって、いろいろな楽しみかたをするといいと思います。

    ―最後に、自分でブレンドティーを作るときに気をつける点などを教えてください。

    フレーバーのつけかたは、柑橘系はさっぱりするので好きな人が多いと思いますが、味が強くなりがちなので、使う量には注意したほうがいいですね。レモングラスなども味が強めに出ます。今回はフリーズドライのフルーツを使いましたが、やはり皮の部分などが入ると苦みが出てきますから。まずは少量から、徐々に足していくのがいいでしょうね。

    また、今回も試しましたが、フルーティーさを強めに出したいときは、マンゴーやドライフルーツの量は最初から少し多めでもいいかもしれません。それぞれに効果はもちろんありますが、その他にカモミールやラベンダーは似たような系統で、柔らかい香り。レモングラスは温かさや元気が出そうな香りです。

    いつも遊び心を忘れずに、いろいろなブレンドを試してみて、自分だけのオリジナルブレンドティーを試してみてほしいです。


    オスカル・ブレケル | Oscar Brekell
    1985年スウェーデン生まれ。学生時代に日本茶に魅せられ、2010年、岐阜大学に留学。2014年に超難関とされる日本茶インストラクターの資格を取得。静岡県茶業研究センターの研修生などを経て2018年独立。
    www.brekell.com
    www.instagram.com/brekell (Instagram)

    Photo: Junko Yoda (Jp Co., Ltd.)
    Text: Rie Noguchi

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