• Laraちゃんと
    新緑の「一番茶」体験 <後編>

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    一番茶の茶摘み体験とお茶の楽しさ

    静岡県富士市の鈴木幸三郎さんの茶畑を訪れたLaraちゃん。フランス人のお友だちのソフィーさんと一緒に、一番茶を手で摘ませてもらうことに。陽も射し始めるにつれ、茶葉たちも一層きらめくように見えてきた。(前編はこちらから)

    「(摘む場所は)“一芯二葉”です。真ん中に芯が一本針みたいにあるでしょう。それから二枚葉が出ていて、その下から摘みます。爪でやってはだめ。こうして折るようにしなければいけない。爪を立てて軸に傷がつくと、製品にした時に違うだよ。そのくらい敏感だからね」

    鈴木さんからコツを教えてもらうとしばしお茶摘みに没頭。Laraちゃんがソフィーさんにフランス語で説明しながら二人一緒に楽しむことができたようだ。

    鈴木さんも嬉しそうに二人の茶摘みを見守る。

    あっという間にザルの中は茶葉でいっぱいに。ハートの形に茶葉をまとめるLaraちゃんのセンスもさすが。

    ちなみに茶葉に若干見られる傷は虫によるものではない。前編でも触れた通り、鈴木さんの茶畑は高冷地のため虫はつかず、一番茶は農薬を使わずに育てられる。原因は、今年珍しく降った雹(ひょう)だそうだ。

    「今年はね、5月4日に雹が降って叩かれたですよ。だから葉っぱに傷があるでしょう。あれは雹のしわざです。まだ葉っぱが開いてなかったから大変よかったけど、もうちょっと葉が大きく開いていたらもっと被害が大きかった」

    葉が開いてからの雪など、葉にダメージを与えるような天候が最も難しいのだと教えてくれた。木の育つままに任せるだけとも話していた鈴木さんだが、葉が無事に育つまでには心配や気苦労も多いはずだと感じた。

    とはいえ、それ以外は順調に育ち、いよいよ一番茶の収穫を迎えた鈴木さんの茶葉たち。その摘採の前に茶畑を訪問できたLaraちゃんとソフィーさんは、帽子に摘んだ茶葉を挿してみたりしながら、二人なりのお茶摘みを楽しんだ。

    ひと仕事終えた後には、お茶を一杯。茶畑でピクニックセットを広げさせていただき、伊藤園ティーテイスター2級の資格を持つ倉持さんからお茶の淹れ方のレクチャーをしてもらった。

    茶葉の量は一人2グラム、ティースプーン約1杯分。お湯の量は一人100mlで、お湯を適温の70〜80℃にするために、沸かしたお湯を別の器に移して湯冷ましを行う。手順ごとの説明に真剣に耳を傾けるLaraちゃん。お湯を入れて30秒と説明し、さらに他のこともしばらく話していると「30秒たったよ!」と正確に抽出時間を数えてくれていたほどだ。

    次にLaraちゃんも自らお茶を淹れてみることに。2杯交互に注いで濃さを均等にするというポイントもしっかりおさえて淹れられた。

    自分で淹れたお茶に大満足、とても嬉しそうに飲むLaraちゃん

    お茶摘みにお茶飲みにピクニックと、新緑の茶畑を満喫したLaraちゃんたち。

    鈴木さんの茶畑の後には、静岡県内の荒茶工場も見学し、摘採された茶葉がどのようにして普段使うお茶っぱになっていくのかというところまで学んだ。

    「今日はお茶のことをたくさん知れて、これからもっと知りたいなと思いました」

    Laraちゃんがもっと知りたいと言ったように、身近な存在であるお茶にも奥の深い世界がある。ただそれは難しい世界ではなく、誰もが楽しめる世界だ。鈴木さんからLaraちゃんの年代まで、さらにフランスから来たソフィーさんも、みんなで楽しい一日が過ごせたのもお茶のおかげと言えるだろう。そんなお茶の魅力を再発見できた一日となった。

    Photo: Kenta Aminaka
    Video: Junya Oba
    Text: Yoshiki Tatezaki

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