• 食欲の秋到来!
    秋の味覚に合うお茶とは?

    2019.09.08

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    秋といえば読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋。そして、やっぱり一番は“食欲の秋”ですね!

    となると、気になるのが秋の味覚をいかにしておいしくいただくか。

    そこで今回は、フードコーディネーターの“まきあやこさん”が旬の食材を使った料理を用意。お茶のスペシャリストで伊藤園のお茶の専門店を担当している “別府 寛さん”とお茶マリアージュについてお話をいただきました。

    秋の味覚をもっとおいしくする方法、さっそく探ってみましょう!


    食事の最初は、炊き込みごはんの香りと甘みを引き立てる「玄米茶」 

    まき: 秋の味覚に合うお茶とはどのようなお茶かを伺いたくて、今日は、きのこの炊き込みごはんとさんまの塩焼きを用意しました。

    別府:おいしそうですね。香りがすごく良いです。

    まき:塩焼きのさんまは、皮の香ばしさにかぼすの香りをプラスしました。炊き込みごはんは、しめじと舞茸で。きのこを2種類使うことで、香りをより楽しめるようにしてみました。

    ――ここで、別府さんがお茶を用意してくれました――

    別府:料理もお茶も香りは大事ですよね。おいしさを感じさせる要素のひとつですから。
    一杯目のお茶は、熱々のお湯でしっかりと香ばしさを出した玄米茶を用意しました。食事はじめのお茶として召し上がってもらえると、炊き込みごはんの香りと甘みを引き立ててくれると思います。

    まき:この玄米茶は、食欲が刺激される香りですね。ごはんを炊いている香りにも近い。

    別府:実はこれ、抹茶も入っています。一般的に玄米茶は、緑茶と玄米でつくることで、すっきりとした香りの良いお茶になります。そこに抹茶が加わることで、口当たりが優しく、まろやかになって味に深みが出るんです。

    まき:なるほど。香りもそうですが、温かいお茶で胃が温まって、食事のイントロダクションに良さそう。食事の最初にゆっくりお茶を飲むことが習慣になると優雅で素敵ですね。

    食事の途中には、料理を主役にするため、浅く出した「煎茶」を

    ――次のお茶は、何でしょうか?――

    別府:食事が進んできましたので、ここでお茶を変えましょう。
    料理の味を妨げないように、深い味わいをあまり出さずに煎茶をいれてみようと思います。お湯の温度や蒸らす時間で味がさまざまにコントロールできるところもリーフのお茶の楽しみ方のひとつですね。
    今回は、お湯を気持ち多めに入れ、通常50秒程で蒸らすところを20秒程度で浅く出します。

    まき:良い香りですね。
    お茶の旨味もそうですが、一回口の中がリセットされて、また箸が進みます(笑)。重くないのでサラッと飲めて、脂ののった旬のさんまによく合います。

    別府:今回は少し熱めでいれて、お湯の量を多くしました。料理を主役にしたいれ方になっているかと思います。

    食事の最後をすっきりと締めてくれる「ほうじ茶」

    ――食事が終わって、満たされた気分のまきさん。そして、最後のお茶は?――

    別府:最後はほうじ茶。口の中に料理の香りや味が残っているところをお茶ですっきり締めたいという時に、ほうじ茶はとても良いと思います。簡単に熱々のお湯でいれることができます。

    まき:私、ほうじ茶が一番好きなので楽しみです!

    別府:今日は、一番茶の茎をつかったほうじ茶です。茎がしっかりしているので、ほうじ茶としては長めなのですが、熱湯で1分程蒸らして、きちんと味わいが楽しめるようにいれました。

    まき:香ばしいのですが、意外とすっきりとした香りがしますね。緑茶までとはいきませんが、爽やかなほうじ茶です。

    別府:茎茶自体が、芯にかすかに青い香りがあるので、爽やかに感じるのだと思います。

    まき:さんまは旬の時期になると脂がのって、少しこってりしてくるというか、喉の奥に魚臭さが残っちゃうので、それをリセットしてくれるようです。

    別府:さっぱりしながらも喉越しが良いので、スピードが感じられると思います。

    まき:秋の味覚とぴったりのお茶、ありがとうございました。

    別府:こちらこそ。ぜひ、多くの方に、秋口には熱いお茶の香り立ちの良さを感じてもらいたいです。玄米茶やほうじ茶といった香り立ちの良いお茶は、お食事との相性も良いですし、これからもペアリングを意識したお茶をご紹介していければと思います。


    今日のお茶

    抹茶あわせ玄米茶
    香りのよい煎茶と、ふっくらと煎った国産玄米、お茶会用のお薄抹茶を使用したオリジナル抹茶入り玄米茶です。

    <通販サイトへ>
    https://teashop.itoen.co.jp/shop/g/g00-60416/

    一番茶めがみ ほれぼれ
    新芽の爽やかな香りと、渋みの少ない豊かな旨味、緑あざやかな水色を引き出すため、しっかり蒸した茶葉を丁寧に選り分け、後火仕上げしました。

    <通販サイトへ>
    https://teashop.itoen.co.jp/shop/g/g00-15769/

    会席ほうじ
    一番茶の渋みの少ない茎の部分だけを使って、軽く煎ってさっぱりと仕上げました。甘く軽やかな味わいです。

    <通販サイトへ>
    https://teashop.itoen.co.jp/shop/g/g00-60415/

    【プロフィール】

    まきあやこ
    ケータリングチームPerch.主宰。テーマ性のあるオーダーメイドのケータリングやお弁当、イベントでのフードコーディネーションを手がける他、フードスタイリング・レシピ開発などを中心に活動中。「北欧、暮らしの道具店」の社食係を担当。著書に『やってみたら思ったより簡単だった!スグうま自炊生活』がある。
    –web連載–
    北欧、暮らしの道具店 「まきさんの社員食堂」
    朝時間. jp 本と映画と朝ごはん
    朝時間. jp 誰でも失敗知らず!クイック朝ごはん

    別府 寛(べっぷ かん)
    株式会社伊藤園特販営業本部 専門店部 第一課 担当。リーフの直営店運営、商品企画販促、ECサイト運営を経て現職。百貨店外商顧客向けのお茶のケータリングや、各種イベントでのアレンジティーの提供など、伊藤園ティーテイスター(※)活動をはじめ、幅広くお茶の楽しみ方を提案している。

    (※)ティーテイスター制度:2017年に厚生労働省より認定された伊藤園の社内検定制度。「お茶の伊藤園」として社員がお茶に関する高い知識を持ち、社内外にお茶の啓発活動が行えるよう1994年より運営している。

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