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2020.05.15

相手に与えられる限りの愛を
sioの今と、お茶の時間
<後編>

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お茶を愉しむ時間で、本質と向き合える

前編では[sio]の愛とイズムをお話ししてくれたオーナーシェフ・鳥羽周作さん。彼が考え事をしたりほっとしたりするとき、実はかたわらにあるのはお茶だという。

「僕は冷たいお茶が好きで、よく飲んでいます。薄く出した緑茶や、ウーロン茶、ジャスミン茶。家にもお茶はあります。玄米茶と麦茶が一番好きです。お菓子のときはちゃんとしたお茶を淹れようかなと思いますし、家でゆっくりするときもまずお茶を用意しています」

sioでも、緑茶のほか、中国茶、台湾茶、紅茶と幅広いお茶が多くリストにあり、ペアリングの提案もしている。

淹れ方は冷水立てが多いという。鳥羽さん自身も、食事をするときは冷たいお茶を合わせるのだそう

「冷たいお茶のキレが食中に映えるので、sioでは水出しでお出しすることが多いです。お料理を食べた後に、冷たくキレのあるお茶でリセットできるんです。水の温度や抽出時間を意識して、なるべくタンニンが出ないように抽出しています。緑茶に関しては、温かくすると旨味や甘味を強く感じるので、料理の旨味とぶつかることもありますね。ペアリングする飲み物としては重たく感じるため、最後に出すか、料理の構成要素として利用することが多いです」

お茶は味わいだけでなく「飲む時間や空間も大切」と鳥羽さん。

「家にいる時間が長くなり、ほっとする時間が大切になる中で、お茶の位置づけは変わってくるのではないでしょうか。こんなときだからこそお茶飲もうよ、と。お茶時間を愉しむことで本質的なことと向き合える時間がとれる。それって今、自宅にいるからできることですよね」

お茶の旨味をドレッシングに。茶殻はサラダに!

sioでは、お茶や茶葉を料理食材として使うこともある。お茶殻は刻んだり、パウダー状にしてグリーンサラダのトッピングに。そして今回教えてくれたのが、緑茶を使ったドレッシングだ。

「今回、お話をいただいたときに、車の中でう~んと悩んでいて。『お茶って…うますぎるんだよなあ…ちょっとイガるしなあ…』って考えているときに、『だったら逆に貝の(強い)だしを合わせたらいけるな』とひらめきました。ホタテとアスパラという旬の味を主軸に酸味のあるドレッシングで。春の野菜の苦みとか心地よい食感、甘味も入る。ハーブも入れて、食べていると一口ずつ味が違ってくる中で、その全体のバランスは緑茶の旨味とハマグリなどのだしのソースがまとめてくれるというイメージです。おいしそうでしょ?」

本格ヴァージョンとカジュアルヴァージョン、二様の仕立てを教えてもらった。春野菜のおいしい今、ぜひお試しを。

帆立のグリーンサラダ <レシピ>

材料(2人分):春野菜を中心に手に入るものでOK
・グリーンアスパラガス 1本
・スナップエンドウ 2ケ
・オクラ 2ケ
・チャービル 少量
・ディル 少量
・大葉 1枚
・ミント 少量
・カラシナ 少量
・クレソン 1茎
・エディブルフラワー
・ナスタチウムの葉
・ホタテ 2ケ

<ソース>
・ハマグリの出汁 50ml
・緑茶(濃いめに煮出したもの) 50ml
・生クリーム 30ml
・じゃがいもピュレ 30g

<ドレッシング>
・エクストラバージンオリーブオイル 適量
・お酢(カラマンシーヴィネガー)   適量
・ハラペーニョ(刻む) 適量
・塩 少量
・ライム汁 1/8個分

作り方
<下ごしらえ>
ホタテは塩を振りソテーし、一口大に割く。
アスパラガスはバーミキュラ(無水鍋)で蒸し焼きに、スナップエンドウとオクラは塩茹でし、それぞれ一口大にカットする。
葉物は食べやすい大きさにちぎる。

以下のソースもしくはドレッシングをかけて完成。

<ソース、sioの味を目指す本格派ver.>
①ドレッシングの材料を合わせて混ぜる。
②好みの緑茶を濃いめに煮出し、濾す。

③小鍋にハマグリの出汁、生クリーム、ジャガイモのピュレを入れて火にかける。

④泡だて器で混ぜながら温め、緑茶とドレッシングを加えてよく混ぜ、味を整える。

<ドレッシング、おうちで試せるカジュアルver.>
ドレッシングの材料をすべて混ぜて濃いめに煮出した緑茶を合わせる。

「すべてそろわないときは、緑茶、ヴィネガー、オリーブオイル、塩のみでもおいしいっすよ!」

カジュアル版のサラダには、お好きな春野菜のほか、お茶殻を刻んでグリーンサラダに混ぜ込むアレンジも。お茶殻を使う際のポイントは「水をしっかり切る」こと。旨味が少し抜けた茶葉に酸味のあるドレッシングがよく合うとのこと。

「おひたしみたいなイメージです。ポン酢とかをかけて食べてもおいしいですよ」

「最初は『緑茶ボンゴレ』というのも考えたんですよ。菜の花を入れてボンゴレを作るときに、そこに少し緑茶を煮出したのを加えても味に奥行きが出て、大人の味になると思います。オリーブオイルとも相性がよさそう」と鳥羽さん。気になる人は、こちらのボーナスレシピもぜひお試しを。

鳥羽周作
1978年生まれ、埼玉県出身。Jリーグの練習生、小学校の教員を経て、32歳で料理人へと転身した異色のシェフ。神楽坂[DIRITTO]、青山[Florilege]、恵比寿[Aria di Tacubo]といった名店で修行を積み、2016年3月より代々木上原[Gris]のシェフに就任。その後、同店のオーナーシェフとなり、2018年7月より[sio]としてリニューアルオープン、『ミシュランガイド東京2020』で一つ星獲得。2019年10月丸の内ブリックスクエア内にアラカルトで楽しめる[o/sio]をオープン。12月東急プラザ渋谷内にオープンした純洋食とスイーツ[パーラー大箸]を監修。(各店の営業状況は各公式ウェブサイトをご確認ください)
sio-yoyogiuehara.com(sio 公式サイト)
note.com/sio_co/m/m2af6f687a7a6(sio公式note、#おうちでsio)
twitter.com/pirlo05050505(鳥羽さん Twitter)

Photo: Masaharu Hatta
Text: Reiko Kakimoto
Edit: Yoshiki Tatezaki
Produce: Hiroshi Inada

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